2011/07/09 22:08
こんばんは、だんでぃです。
生放送で、ただいまリレー小説が進行中です。
僕から始まって、1週間毎にリエさん→ヒマワリさんと続いていきます。
今回は、視聴者の皆さんから3つのお題を募集して、それに沿った内容で書いていこうということになりました。
お題は「猛暑」「始末書」「孫悟空」の3つです。
それでは、以下が僕の書いた部分です。お楽しみくださいませ~(^^
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ひときわセミのうるさい午後だった。
部活帰りのアスファルトは焼けるように太陽を照り返し、部活の時のままのバスケットシューズの底を溶かそうとしているのではないかと思える程だ。
夏休み、中学二年生、部活は昼までで終わり。となれば、午後は夏を満喫する以外にやることは無い。数人での帰り道は、この後どんな事をして遊ぼうかという話題で尽きることはなかった。
が、結局話はまとまらなかったので、取り合えず一度昼食をとるために各々帰宅し、また集まり直すことになった。
「あら、タカシお帰り」
自宅に着くと、リビングで暑さにうだっていた母親がうちわ片手に出迎えてくれた。よいしょっと立ち上がるとエアコンのスイッチを入れ、ちょっと待っててと素麺を茹で始める。
茹で上がるのを待つ間、俺は食卓の椅子に座りつつテレビを付けた。たまたま付いたニュース番組に、見覚えのある街並みが映し出される。
「やだ、コレすぐ近所じゃない。」
母親が、さいばしで鍋の中の素麺をかき回しながら怪訝な声を上げる。
ニュースの内容は、ココから自転車で十分程度のオフィス街で、OLによる横領があったとか、そんな内容だった。金額にすると一千万円くらいで、巧みに書類を捏造していたらしい。OLは逮捕され、フルネームで報道されていた。まだ発覚していない横領もあるのではないかと追求しているとか。被害にあった会社が入っているオフィスビルが、報道陣に囲まれている様子が映し出されていた。
この程度の事件がトップニュースになるのだから、考えようによってはこの町は平和なのかもしれない。
俺はそんなことを考えながら素麺を平らげると、すぐに自転車に乗って悪友達との集合場所に向かった。
「オフィス街に行ってみるか!」
集まった4人が、ほぼ同時に口にした。
あの程度の事件がトップニュースになるのだから、この町にはそもそもイベントが少ない。だからこそあの程度の事件がトップニュースになるのだし、そんな一大イベントをそのままスルーしてしまうのは余りにも惜しい。
ということで、件の会社が入っているオフィスビルまで野次馬をしに行こうということになったのだ。
自転車を走らせること十数分、猛暑の中のサイクリングはまるで熱湯の中を泳いでいるようだ。滴り落ちる汗を拭いつつ、俺たちは現場に到着した。
目的のオフィスビルは、テレビで見ていたよりもこじんまりとした印象で、報道陣の人だかりもテレビで見た印象程ではなかった。テレビカメラマンの撮り方で次第でこうも見え方が変わるものなんだな。と、妙な関心をしてしまった。
しばらく、取材陣になりきったつもりでオフィスビルを眺めていたが、特に何か面白い事が起きるわけでもなく、警備員に注意されたのをきっかけに、俺達は別の場所へ移動することになった。
「特に面白いこともなかったね」
「そうだね」
等と話をしつつ、自転車を手で押してオフィス街をぶらつく。
「おい、これ」
不意に、俺たちのうちの一人が生垣の中に埋もれていた封筒に気付いた。何の変哲もないA4サイズの茶封筒で、特に封もされていなかった。俺たちは何のためらいもなく、中身を覗く。
そこにはホチキスで止められた書類が二枚入っているだけだった。
一枚目は、一番上部に「始末書」と書かれた書類のコピーで、何か会社に損害を与えてしまった従業員が、社長へ報告と詫びをしている書類だった。金額は百万円とある。書類の下の方に目をやると、そこに書かれた従業員名は、なんと例の横領事件の容疑者のOLの名前だった。社名も間違いなくあの会社の名前だった。
俺は、自分の脈が激しくなっていくのを感じていた。他の友人達も、言葉もなく食い入るように書類に目を奪われている。そのまま書類をめくって二枚目に目をやる。
二枚目は港の倉庫街の地図のコピーで、整然と並ぶ倉庫群の中の一つだけ、ピンクのマーカーで塗りつぶされていた。そして、書類の端にボールペンで「孫悟空」と走り書きがあった。
二枚の書類はどちらも原本のコピーだが、マーカーと「孫悟空」の文字だけは直接書き込まれていた。
~~~~~~~~~~~~~~~
以上です。
謎の書類を見つけた中学生の運命やいかに!?
リエさん編に続きます
だんでぃ
生放送で、ただいまリレー小説が進行中です。
僕から始まって、1週間毎にリエさん→ヒマワリさんと続いていきます。
今回は、視聴者の皆さんから3つのお題を募集して、それに沿った内容で書いていこうということになりました。
お題は「猛暑」「始末書」「孫悟空」の3つです。
それでは、以下が僕の書いた部分です。お楽しみくださいませ~(^^
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ひときわセミのうるさい午後だった。
部活帰りのアスファルトは焼けるように太陽を照り返し、部活の時のままのバスケットシューズの底を溶かそうとしているのではないかと思える程だ。
夏休み、中学二年生、部活は昼までで終わり。となれば、午後は夏を満喫する以外にやることは無い。数人での帰り道は、この後どんな事をして遊ぼうかという話題で尽きることはなかった。
が、結局話はまとまらなかったので、取り合えず一度昼食をとるために各々帰宅し、また集まり直すことになった。
「あら、タカシお帰り」
自宅に着くと、リビングで暑さにうだっていた母親がうちわ片手に出迎えてくれた。よいしょっと立ち上がるとエアコンのスイッチを入れ、ちょっと待っててと素麺を茹で始める。
茹で上がるのを待つ間、俺は食卓の椅子に座りつつテレビを付けた。たまたま付いたニュース番組に、見覚えのある街並みが映し出される。
「やだ、コレすぐ近所じゃない。」
母親が、さいばしで鍋の中の素麺をかき回しながら怪訝な声を上げる。
ニュースの内容は、ココから自転車で十分程度のオフィス街で、OLによる横領があったとか、そんな内容だった。金額にすると一千万円くらいで、巧みに書類を捏造していたらしい。OLは逮捕され、フルネームで報道されていた。まだ発覚していない横領もあるのではないかと追求しているとか。被害にあった会社が入っているオフィスビルが、報道陣に囲まれている様子が映し出されていた。
この程度の事件がトップニュースになるのだから、考えようによってはこの町は平和なのかもしれない。
俺はそんなことを考えながら素麺を平らげると、すぐに自転車に乗って悪友達との集合場所に向かった。
「オフィス街に行ってみるか!」
集まった4人が、ほぼ同時に口にした。
あの程度の事件がトップニュースになるのだから、この町にはそもそもイベントが少ない。だからこそあの程度の事件がトップニュースになるのだし、そんな一大イベントをそのままスルーしてしまうのは余りにも惜しい。
ということで、件の会社が入っているオフィスビルまで野次馬をしに行こうということになったのだ。
自転車を走らせること十数分、猛暑の中のサイクリングはまるで熱湯の中を泳いでいるようだ。滴り落ちる汗を拭いつつ、俺たちは現場に到着した。
目的のオフィスビルは、テレビで見ていたよりもこじんまりとした印象で、報道陣の人だかりもテレビで見た印象程ではなかった。テレビカメラマンの撮り方で次第でこうも見え方が変わるものなんだな。と、妙な関心をしてしまった。
しばらく、取材陣になりきったつもりでオフィスビルを眺めていたが、特に何か面白い事が起きるわけでもなく、警備員に注意されたのをきっかけに、俺達は別の場所へ移動することになった。
「特に面白いこともなかったね」
「そうだね」
等と話をしつつ、自転車を手で押してオフィス街をぶらつく。
「おい、これ」
不意に、俺たちのうちの一人が生垣の中に埋もれていた封筒に気付いた。何の変哲もないA4サイズの茶封筒で、特に封もされていなかった。俺たちは何のためらいもなく、中身を覗く。
そこにはホチキスで止められた書類が二枚入っているだけだった。
一枚目は、一番上部に「始末書」と書かれた書類のコピーで、何か会社に損害を与えてしまった従業員が、社長へ報告と詫びをしている書類だった。金額は百万円とある。書類の下の方に目をやると、そこに書かれた従業員名は、なんと例の横領事件の容疑者のOLの名前だった。社名も間違いなくあの会社の名前だった。
俺は、自分の脈が激しくなっていくのを感じていた。他の友人達も、言葉もなく食い入るように書類に目を奪われている。そのまま書類をめくって二枚目に目をやる。
二枚目は港の倉庫街の地図のコピーで、整然と並ぶ倉庫群の中の一つだけ、ピンクのマーカーで塗りつぶされていた。そして、書類の端にボールペンで「孫悟空」と走り書きがあった。
二枚の書類はどちらも原本のコピーだが、マーカーと「孫悟空」の文字だけは直接書き込まれていた。
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以上です。
謎の書類を見つけた中学生の運命やいかに!?
リエさん編に続きます
だんでぃ