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リレー小説その2
2011/07/15 21:17
こんばんは、リエです。
だんでぃさんからバトンタッチされたリレー小説の続きです。
文章を書くのがものすごく苦手なんですが、頑張って書いてみました。

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ポタリ。

こめかみから吹き出した汗が書類に落ちた瞬間、皆がはっとしたように目を見合わせた。

「これ、俺らなんかが見ちゃまずい書類なんじゃないか?」
「いや、そりゃそうだろうけど…」

そんなことはここに居る4人皆が分かっていることだ。しかしこの書類を見つけてしまった以上、俺はこのまま書類を放置しておこうなどとは微塵も思わなかった。
俺は2枚目の書類をしばし睨みつけて、先程から疑問に思っていたことを口にした。

「…始末書についてはともかく、この2枚目の倉庫群の地図、どこだと思う?」

始末書と共にホチキスで止めてあるのだから、始末書と何らかの関係がある地図なのだろう。しかし、この2枚の紙切れに関連性を見出すのは至難の業ではないかと思える程に、1枚目と2枚目の書類には何も関連付けられるような事柄は書かれていなかった。唯一手がかりとなりそうな情報は、この港の倉庫街の地図と「孫悟空」の文字だけだった。この倉庫街の場所まで行けば、1枚目の始末書と結びつく何らかの情報が得られるかも知れないと思ったが、俺の思考はそこで途切れざるを得なかった。

「この街の地図では無さそうだな」

そう、少なくとも港の倉庫群なんてこの街には無かった筈だ。
俺の住む街は海に隣接している場所ではないし、近隣の山脈からのフェーン現象と都心のヒートアイランド現象で日本で一番暑い土地と呼ばれることもある位だ。
今もジリジリと照りつける太陽で肌が焼けていくような感覚がある。
手の平の汗で湿ってきた書類を握り締めながら、探偵ごっこはもうおしまいか?と思い始めた時だった。

「…でも、なんで孫悟空?」

目の前に居たやつが、俺が暑さで忘れかけていた疑問を呼び起こしてくれた。
そうだ、何で孫悟空なんだ?
そう思った瞬間、今まで黙りこくっていたナオトが口を開いた。

「なぁ、この文字、何かおかしくないか?」

ナオトは俺たち4人の中で一番成績優秀で頭の切れるヤツだ。そんなナオトが何かに気づいたことで、皆が身を乗り出すように書類を覗き込んだ。ナオトの人差し指が書類の端に書かれた「孫悟空」の文字をなぞるように動く。

「ほら、ここ。”そんごくう”と読むには少し間が空きすぎじゃないか?」

たしかに、パッと見る限り「孫悟空」に見えていたが、よくよく見れば見るほど、それは脳内で個別に分解され、「孫悟空」という文字では無い気がしてきた。

「これは… 子 系 小 吾 空?」

なるほど、確かに。言われてみれば「孫悟空」ではなく、ナオトが言う通り、何らかの漢字を使った暗号に見えなくもない。もしかしてこれは何かを隠蔽するための暗号なのだろうか?
一度萎んでしまった好奇心がまた鎌首をもたげてきた。何か面白いことが起こりそうな予感がする。こういう時、俺の予感は外れたことがない。
そこで間髪入れず、俺の期待に答ええるようにナオトが言い放った。

「それから、この港の倉庫街の地図。これ、もしかして地図じゃないんじゃないかな?」
「え?」

今までの予想から大きく外れた話に、俺たちは立ち尽くしてナオトを見つめ返すことしかできなかった。



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自分でもかなりのキラーパスだと思いますが、ヒマワリさんならきっと何とかしてくれる!…と思ってます(笑)
と言うわけで、来週はヒマワリさん編に続きます。

リエ
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リレー小説その1
2011/07/09 22:08
こんばんは、だんでぃです。

生放送で、ただいまリレー小説が進行中です。
僕から始まって、1週間毎にリエさん→ヒマワリさんと続いていきます。

今回は、視聴者の皆さんから3つのお題を募集して、それに沿った内容で書いていこうということになりました。

お題は「猛暑」「始末書」「孫悟空」の3つです。

それでは、以下が僕の書いた部分です。お楽しみくださいませ~(^^


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ひときわセミのうるさい午後だった。
 部活帰りのアスファルトは焼けるように太陽を照り返し、部活の時のままのバスケットシューズの底を溶かそうとしているのではないかと思える程だ。
 夏休み、中学二年生、部活は昼までで終わり。となれば、午後は夏を満喫する以外にやることは無い。数人での帰り道は、この後どんな事をして遊ぼうかという話題で尽きることはなかった。
 が、結局話はまとまらなかったので、取り合えず一度昼食をとるために各々帰宅し、また集まり直すことになった。
「あら、タカシお帰り」
 自宅に着くと、リビングで暑さにうだっていた母親がうちわ片手に出迎えてくれた。よいしょっと立ち上がるとエアコンのスイッチを入れ、ちょっと待っててと素麺を茹で始める。
 茹で上がるのを待つ間、俺は食卓の椅子に座りつつテレビを付けた。たまたま付いたニュース番組に、見覚えのある街並みが映し出される。
「やだ、コレすぐ近所じゃない。」
 母親が、さいばしで鍋の中の素麺をかき回しながら怪訝な声を上げる。
 ニュースの内容は、ココから自転車で十分程度のオフィス街で、OLによる横領があったとか、そんな内容だった。金額にすると一千万円くらいで、巧みに書類を捏造していたらしい。OLは逮捕され、フルネームで報道されていた。まだ発覚していない横領もあるのではないかと追求しているとか。被害にあった会社が入っているオフィスビルが、報道陣に囲まれている様子が映し出されていた。
この程度の事件がトップニュースになるのだから、考えようによってはこの町は平和なのかもしれない。
俺はそんなことを考えながら素麺を平らげると、すぐに自転車に乗って悪友達との集合場所に向かった。

「オフィス街に行ってみるか!」
 集まった4人が、ほぼ同時に口にした。
 あの程度の事件がトップニュースになるのだから、この町にはそもそもイベントが少ない。だからこそあの程度の事件がトップニュースになるのだし、そんな一大イベントをそのままスルーしてしまうのは余りにも惜しい。
 ということで、件の会社が入っているオフィスビルまで野次馬をしに行こうということになったのだ。
 自転車を走らせること十数分、猛暑の中のサイクリングはまるで熱湯の中を泳いでいるようだ。滴り落ちる汗を拭いつつ、俺たちは現場に到着した。
 目的のオフィスビルは、テレビで見ていたよりもこじんまりとした印象で、報道陣の人だかりもテレビで見た印象程ではなかった。テレビカメラマンの撮り方で次第でこうも見え方が変わるものなんだな。と、妙な関心をしてしまった。
 しばらく、取材陣になりきったつもりでオフィスビルを眺めていたが、特に何か面白い事が起きるわけでもなく、警備員に注意されたのをきっかけに、俺達は別の場所へ移動することになった。
「特に面白いこともなかったね」
「そうだね」
 等と話をしつつ、自転車を手で押してオフィス街をぶらつく。
「おい、これ」
 不意に、俺たちのうちの一人が生垣の中に埋もれていた封筒に気付いた。何の変哲もないA4サイズの茶封筒で、特に封もされていなかった。俺たちは何のためらいもなく、中身を覗く。
 そこにはホチキスで止められた書類が二枚入っているだけだった。
 一枚目は、一番上部に「始末書」と書かれた書類のコピーで、何か会社に損害を与えてしまった従業員が、社長へ報告と詫びをしている書類だった。金額は百万円とある。書類の下の方に目をやると、そこに書かれた従業員名は、なんと例の横領事件の容疑者のOLの名前だった。社名も間違いなくあの会社の名前だった。
 俺は、自分の脈が激しくなっていくのを感じていた。他の友人達も、言葉もなく食い入るように書類に目を奪われている。そのまま書類をめくって二枚目に目をやる。
 二枚目は港の倉庫街の地図のコピーで、整然と並ぶ倉庫群の中の一つだけ、ピンクのマーカーで塗りつぶされていた。そして、書類の端にボールペンで「孫悟空」と走り書きがあった。
 二枚の書類はどちらも原本のコピーだが、マーカーと「孫悟空」の文字だけは直接書き込まれていた。


~~~~~~~~~~~~~~~

以上です。

謎の書類を見つけた中学生の運命やいかに!?

リエさん編に続きます


だんでぃ
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七夕のお願いを叶えるにゃ
2011/07/07 19:39



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