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2011/05/30 10:02
前々回の映像配信にて「洋もの」「眉毛」「牛乳」という3つの要素を含んだドロドロ恋愛ものの原作を書く事になりました。
私にはこのお題難しい!!!
と思っていたのですが、放送終了後ピッタリ30分後に「書きました」と私のすぴメールに連絡がありました。
早すぎる!!勝手にこのユーザーさまのすぴばる画面を真っ赤にしたいくらい早い(シャア専用)
でもお題を元に投稿していくのって面白いですね^^
以下が作品です。
眉毛が薄いことに悩んでいる主人公(女)。今日もきっちりとアイブロウで眉毛を引き、出勤する。
出勤、と言っても、一般的な会社勤めではない。牛乳の配達だ。元々は父がやっていた仕事だが、最近足を悪くした父に代わり、最近では主人公が近隣の家へ牛乳を配達している。
牛乳を軽トラックに積み込む。するとオープンになった荷台に、見覚えのない封筒が置いてあることに気づいた。牛乳配達のトラックに似合わない、洋風のしゃれた封筒。何かと思って、封筒を開ける。
するとそこには、愛の告白文。しかし、その文中の言葉に、主人公は落胆する。
「眉目秀麗なあなたに、私など不釣り合いかもしれませんが(云々)」。眉目秀麗、は、主人公の一番嫌いな言葉だった。そう言われたことは何度かある。その 度に、その場を曖昧に笑ってごまかしていた。眉目、と言ったって、自分には眉毛が無いも等しいのに。男というのは、女性の化粧も見抜けないらしい。
さて、その手紙のことは忘れることにして、主人公は牛乳配達を終えた。それから、大学へ向かう。主人公の本業は、大学生である。父の代わりに朝早くの仕事を手伝ってはいるが、まだ学生の身、勉強が本分だ。
そこで、学校のミスター(学園美男大会優勝者)に声を掛けられる。ハーフだという、それこそ眉目秀麗な見た目の持ち主。
初めての接触に、何かと思う。すると、ミスターから、「手紙は読んで貰えたか」という質問。
まさかあの手紙はあなたが、と問うと、ミスターは熱に浮かされたように話し始める。最初はあなたの容姿に惹かれた。でも、あなたのことを知るうちに、あな たのことをもっと好きになった。毎朝父親の仕事を手伝っているけなげさにも惚れた。あんな力仕事、誰にだって出来ることではない。家族想いは、とても素晴 らしいことだ。
そんな風に話されても、主人公は困惑するだけだった。というのも、ミスターには公認の恋人が居たからだ。こちらはミス(学園美人大会優勝者)で、誰から見ても、お似合いのカップルだと言われていたのに。
そういう理由で交際は断ったが、ミスターはそれを境に付きまとってくるようになった。すると、それを良く思わない女子生徒やミス本人から、ねちねちとした嫌がらせを受ける羽目になる。
そこで、主人公はあることを実行する。
ある日、眉を描かずに、メイクも全くせずに、学校に登校した。すると、ミスターの前を通っても、ミスターが声を掛けてこない。女子生徒からの嫌がらせもない。メイクを落とした主人公を、主人公本人だと認識できないらしい。
やっぱりか、と、落胆するとともに納得して、ミスターに話しかける。
「やっぱり、あなたは私の容姿が好きだっただけなのよ。私が私だと気付かなかったじゃない。すっぴんはこんななんだから、諦めてちょうだい」
するとミスターは驚いたような顔をして、こう言った。
「いや、僕は君が君だと気付いていたよ。でも、メイクをしていなかったじゃないか。きっと朝寝坊でもして、メイクをする時間がなかったんだと思って。誰だって、格好悪いところは見られたくないだろう? だから僕は、気付かない振りをしたんだ」
驚く主人公に、ミスターは少々笑って「これは内緒なんだけどね」と顔を寄せてくる。その仕草に、初めて主人公は少し赤くなる。
「ミスのあの子もいるじゃない。あの子も一度だけ、メイクを忘れて登校してきたことがあるんだ。でも、全部忘れてたわけじゃなくてね、眉だけ描くのを忘れ てきたんだ。驚いたよ。眉毛がそっくりないんだもの。さすがの僕も驚いて、失礼を承知で聞いたんだ。『君、眉毛が無いの?』すると彼女は最初は慌てたけ ど、最後は開き直ってこう言ったよ。『眉毛は剃っちゃった方が、メイクの時に好きに描けるからいいのよ』。僕は驚いたね」
その言葉に、主人公も驚く。そうか、そんな考え方もあったのか。
主人公が黙っている内に、ミスターは「あのね」と言って言葉を重ねた。
「君は誤解しているみたいだけど、僕はあの子と付き合ってはいないよ。あの子が勝手に付きまとってくるだけなんだ。僕が君にそうしていたようにね」
その言葉に、主人公は言葉をなくす。やや間を開けてから、「だって、そんなこと一度も言わなかったじゃない」と狼狽しながら言うと、「君が話を聞いてくれなかったんじゃないか」という答え。
「ともかく、君は綺麗だし家族思いだし、他にも沢山、いい所があるよ。改めて言う。付き合ってくれないか?」
その言葉に、主人公は考え込む。結局、友人として付き合い始めることになる