さて、DTMで音楽制作といっても、大きく趣向の違う作業を併行する必要があります。以下適当においらなりに分類の上でご紹介など。
1:音作り
シンセサイザーのパラメータを設定したり、既存の音声データを加工したりする準備作業です。おいらは打ち込み中心ですが、生楽器でも重要な作業です。特にギタリストの皆様は、エフェクターやアンプの設定に腐心しておられるようです。
この作業は、今時の機材であれば「プリセット」という事前に用意されたデータが豊富にありますのでほとんどはプリセットを選んで好みの形に修正する感じです。以下は作業中の画面で、左下にLogicの標準シンセサイザー「es2」の画面をおいときました。正直意味判らん。
ぶっちゃけこの画面を全部理解しようとしてイチから音作りしてたら寿命足りんわと思います。
シンセサイザーはハマると楽しい物なんですが、音作りにどれだけ時間費やしても音楽は完成しないので適当に妥協することが重要ですね。
2:作曲
実際に音符を置いて行く部分です。ここに限っては、ほんと感覚頼みの作業が続きます。
作曲の仕方を手っ取り早く覚える方法は、何か好きな楽器を見つけて色んな曲を演奏してみることだと思います。楽典とか和声やらのいわゆる音楽理論は、余力がある時に足しにする程度の心構えで問題ないかと。引き出しは増えますが、慣れた楽器持たずに理論やっても実感掴みにくくて遠回りっぽいです。
3:アレンジ
アレンジと作曲はかなり違う内容の作業になります。作曲が感覚頼みなのに比べて、アレンジは「定番」のパターンが豊富にありますし、割と理詰めで適用できます。強弱や雰囲気に適した演奏パターンとかを覚えてしまえば言い訳ですね。
そういうパターンをアレンジの「引き出し」と呼称する方が多いようです。
この引き出しの中に、やれハウスベースならこういうパターン、バラードのピアノの左手ならこういうパターン、というようにすらすら適用できるようになっていきます。
作曲がマズくてもアレンジが凝っていればけっこう音楽として成立しちゃいます。なのでセンス勝負が苦手な方はアレンジ研究から始めるのが得策かも。いやわかりませんけど。素人発言ですゆえなにとぞご容赦。
さて、アレンジパターンの引き出しを増やす方法ですが、わりと簡単です。既存の曲をコピーしてみまくること、これに尽きます。とても真似できない、って場合は単純化して段階的に真似て行くことですね。何度も色んな形で真似しまくるとやり方が見えてきたりします。
コピーが苦手な方は、「半分の速度で聞けるソフト」とかありますので探してみるのも一興だと思います。
画家を目指す人が有名な絵の模写を練習するのと一緒ですね。最初は何事も真似からだと思います、ほんと。
4:調整
ミキシングとかマスタリングとか作業の目的によって色んな仕事があります。正直、おいらが一番苦手な作業です。ソフトに付属しているサンプルを研究しながらなんとなくそれっぽく仕上がればいいやって思ってます。
今回は上記2と3の「作曲・アレンジ」部分のおいらなりのやり方を少し紐解いてみます。
最初にイメージする必要がありますね。イメージなにもないと、作業が続きません。
今回おいらは、小洒落た中二病仕立ての曲を作ろうと堅く決意してから作業を開始しました。そこから連想ゲームのノリで、「六拍子」「変な和音展開」「ややこしいリズム」という道具立てを準備してみました。
・まずドラムのっける
DAWのいいところは、素材を乗っけて「繰り返せ」と指定すれば延々と繰り返してくれるところです。もしあなたが指揮者としてオーケストラ振ってたらそんな芸当はできませんね。酷使してやりましょう。
かっちょいいドラムパターンをいくつか作って適当にループさせておきます。展開は後でどうにかしますので、まずは素材でも自作でもなんでもいいのでループ。
・和音のっけてみる
メロディでもいいのですが、おいらは和音から乗っけていきます。どんな雰囲気の曲になりそうなのかが早い段階で見えて来ます。前回のトラックも、和音だけの部分がかなりありました。あれはあとから何か乗っけようという放置部分だった訳です。
・イントロ作る
イントロ重要です。印象に残るシンセサイザーや効果音を多用して、視聴者様をひきつけたいですね。その後自然にさらっと曲本体に入れると理想です。
イントロとドラム、和音がのっかるとテンション上がります。自分で「わあこの曲続きどうなるのかしらわくわく」って思えれば、あとはもうイマジネーションをねじ込み続けるだけの簡単なお仕事ですね。お酒好きな方は、ここいらですこし呑んで気持ちを大きくしてしまうのもアリじゃないかと思います。飲み過ぎると翌日聴き返したときにデータ削除したくなりますのでお気をつけ下さい。
・フィルインをちょっと作り込んでおく
おいらの場合、ここまでリズムパターンはずっと単調なループで進めています。そろそろAメロBメロみたいな場面転換のアイデアが打ち込まれてきてますので、リズムパターンに梃子入れするタイミングです。
サビ前のブレイクとか、ドラムの連打とか、大きくパターン切り替えとかを色々試します。この作業を通して、ぐっと音楽の盛り上がり方のイメージが見えてくるわけですね。
この辺は作曲というより、ミックス作業を通した「演出」の側面も強いです。DAWは音をがらっと変えるエフェクターも沢山ありますので、アイデアが尽きたら片っ端エフェクターを試すだけでも一曲仕上げられます。
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——と、ここまでが概ね前回晒したトラック制作でした。
今回は以上に加えて、下記の作業を行ってみました。
・なんでもいいからとにかく全尺作る
音楽が「終わる」所まで、とにかく一旦打ち込んでみました。
これは、早めに全体像を確認して、どこまで作り込むべきかを見たいからです。仮組みとでも申しましょうか。ほんと適当に埋めます。
いや、もちろんアタマから順次作っていくのもアリだと思います。しかし終わりが見えないと、とにかくモチベーション保つのが大変です。
サビっぽい部分まで出来れば、あとはコピペで全体像「っぽい何か」をこしらえる事ができると思います。
・がんがん組み直す
さて、素材は整いました。ここまでくれば、仮組みに肉付けしまくればそのうち完成するはずです。
ここで重要なのは、没を怖がらないことですね。やっつけ仕事である「仮組み」そのものに不満を感じる事も少なくないでしょう。
何度も仮組み状態を聴き直しているうちに、「どう直すべきか」が見えて来ます。ダサい部分はがんがん削ります。酷い時にはAメロとサビを丸ごと入れ替えたりします。
と、おいらの場合はこういった手順を踏んで晴れて完成!……となる訳です。
しかし現時点では最後の「がんがん組み直す」の真っ最中であります。まだなんか展開が納得いかないとです。。フィルター周りも作業しなきゃ……コード進行ぶつかってるところもあるし……うぼぁー。
GW中にニコニコ動画へアップできるかどうかは今のところ不透明です。。
次回はボーカロイドを導入してみようかなーと思ってます。
乞うご期待ー。